「家が壊れたらローンや家賃はどうなる?」不動産屋だから話せる、災害時に本当に役立つ住まいの防災ガイド

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2026年07月30日

「家が壊れたらローンや家賃はどうなる?」不動産屋だから話せる、災害時に本当に役立つ住まいの防災ガイド

先日発生いたしました熊本地震により被災された皆さま、そして不安な日々をお過ごしの関係者の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
今なお大変な状況が続いているかと存じますが、皆さまの安全と一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

大規模な地震が起きるたび、多くの方が「自分の家は大丈夫だろうか」「今からできる備えは何があるだろう」とご不安に思われているのではないでしょうか。
 

私たち不動産会社としても、「万が一のとき、住まいと家族を守るために知っておいてほしいこと」を
改めてみなさまにお届けしたいと感じております。

そこで今回は、普段から無理なくできる住まいの防災・維持管理のポイントをまとめました。
ご自宅のチェックや今後の備えの参考にしていただければ幸いです。

1. 「新耐震基準」でも安心できない?耐震基準の本当の考え方

一般的には「1981年6月以降の新耐震基準なら安心」と言われますが、住まいを守る上ではもう一歩踏み込んだ視点が大切です。

「2000年基準」という大きな境界線

熊本地震では、1981年以降の新耐震基準であっても、木造住宅の倒壊が見られました。
実は、2000年6月には建築基準法がさらに強化されており、以下の対策が義務付けられています。
 
・地盤調査の事実上の義務化
・柱やハリを固定する「接合金物」の指定
・建物のバランス(偏心率)の規制強化
 そのため、木造住宅においては「2000年6月以降に建てられたか(2000年基準を満たしているか)」が1つの大きな安心の境界線になります。

 

「耐震等級」の違いと繰り返しの揺れ

建築基準法レベル(耐震等級1)は、「一度の大地震で倒壊せず、中にいる人の命を守る」ことを目的とした基準です。

しかし、熊本地震のように「震度7クラスの巨大な揺れが連続して来る」ケースでは、
1回目の揺れで建物がダメージを受け、2回目の揺れで倒壊してしまうリスクがあります。
何度も来る余震に耐えて住み続けるためには、
「耐震等級3」の確保や、揺れを吸収する「制震ダンパー」の設置が非常に有効です。

2. 意外と知られていない「被災後の住宅ローン」と保険の仕組み

災時に真っ先に相談が寄せられるのが「家が壊れたのにローンだけ残るのか」という問題です。



「被災ローン減免制度」という選択肢

建物が全壊しても、法律上ローンの返済義務は残り、そのままでは「二重ローン」に苦しむことになります。

しかし、自己破産などの法的整理を行わずに、ローンの免除や減額を受けられる「自然災害による被災ローン減免制度(被災ローンガイドライン)」という制度があります。この制度を利用すると、財産の一部を手元に残しながらローンを整理でき、信用情報(ブラックリスト)にも載らないという大きなメリットがあります。

 地震保険の判定基準と「片付け前の写真撮影」

  • 火災保険だけでは足りない: 地震による火災や倒壊は、通常の火災保険では補償されません。必ず「地震保険」への加入が必要です。
     

  • 実際の修理費ではなく「損害判定」で支払われる: 保険金は修理見積もり額ではなく、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階の判定によって支払われます。
     

  • 片付ける前に写真を残す: 片付けや修理を始めてしまうと被害状況の証明が難しくなります。片付ける前に、建物の外観や室内の被害状況をあらゆる角度から写真撮影しておくことが、スムーズな保険金受取の鍵となります。

3. マンション管理と「敷地の権利・修繕」の落とし穴

分譲マンションの場合、戸建てとは異なり「1つの建物をみんなで所有している」ため、復旧にあたって特有のハードルが存在します。
 

修繕を決めるための「合意形成(特別決議)」

エレベーターや受水槽、外壁などの共用部分が破損した場合、修理を進めるには管理組合の集会で原則4分の3以上の賛成(特別決議)が必要です。

住人同士の意見がまとまらなかったり、日頃の修繕積立金が不足していると、工事に着手できず長期間復旧できない事態に陥ります。日頃から管理組合が機能しているかが非常に重要です。
 

住み続けられるかを判定する「被災度区分判定」

地震後、そのマンションにそのまま住み続けて安全かどうかは、専門家による「被災度区分判定」を行って客観的に判断します。

4. 賃貸物件における「罹災(りさい)時の家賃」と退去ルール

賃貸アパートやマンションにお住まいの方、あるいは物件をお持ちのオーナー様にとっても、災害時の法的ルールを知っておくことはトラブル防止に繋がります。
 

住めなくなった分の家賃は「法律上、当然に減額」される

2020年の民法改正により、災害で物件の一部(お風呂やトイレなど)が使えなくなった場合、入居者が交渉しなくても「使えなくなった割合に応じて家賃は当然に減額される」ルールになりました。
 

建物が全壊した場合は「契約自動終了」

建物が全壊して生活が不可能な状態になった場合、賃貸借契約はその時点で自動的に終了(滅失による終了)となります。

結びにかえて

災害は突然やってきますが、「事前に知っておくこと」「日常の中で少しだけ意識すること」で、被害を小さく抑え、被災後の生活再建を大きく早めることができます。
戸建て、分譲マンション、賃貸アパートなど、住まいの形態によって必要な対策や手続きは異なりますが、共通して言えるのは「事前の確認と記録が身を守る」ということです。

まずは今週末、ご自身の住まいに合わせて以下のような一歩から始めてみませんか?
・ご自宅の点検・確認(戸建ての外周点検、マンションの非常階段・避難経路の確認)
・ご加入中の保険・契約内容の確認(火災・地震保険の補償範囲や賃貸契約の確認)
・ 重要書類のデジタル保存(契約書や保険証券をスマホで撮影して保存しておく) 

大きな地震のニュースを目にするたび、不安な気持ちになられる方も多いかと思います。被災された地域の皆さまが、一日も早く安心できる日常を取り戻せることを心よりお祈り申し上げます。

私たち不動産会社は、単に物件を売買・管理するだけでなく、「皆さまがいつでも安心して暮らせる住まい環境を守るパートナー」でありたいと考えています。
 
「自家の耐震性やハザードマップについて確認したい」「被災時の保険や契約内容について相談したい」など、住まいに関する気になることがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。 
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